 |
|
はんますとほいとやがれんげ畑のあぜみちをおさんぽしていると、どこからか、サイレンのような泣き声がしてきました。
「ギャッオー、ギャッオー、うウェ〜ン、うウェ〜ン」
「ギャッオー、ギャッオー、うウェ〜ン、ウェン、ウェン」
ア、あの派手な泣き声は、ジローくんだ。
いったいどうしたのかな。
またいたずらをして、パパにしかられたのかな。
とにかく行ってみよう。
ウン、行ってみよう。
はんますとほいとやは、いそいで回れ右をすると、とうもろこし畑とキャベツ畑の間の細道に向かってかけだしました。走るたびに、草のにおいにまじって、よもぎの葉のにおいがぷんとします。
「ねえほいとや、あとで、よもぎの草もちをつくろうよ。よもぎがとってもいいにおい」
「ホントだね。きょうのおやつは草もちだ。
オット、その前にジローくんを助けなきゃ。
ところではんます、ぼくはきなこもちにするよ」
「ぼくは、あんころもち。
ワーイワーイ、くさもち、ワーイ」
ふたりは、ジローくんのおうちの裏木戸のすきまをヨイショとこえ、栗の木とプラムの木の下を抜けて、中庭にまわりました。ぶどうのたなの下で耳を澄ますと、泣き声がよく聞こえました。
どこで泣いているのかな。
泣き声は、ジローくんの細長い家の右側から聞こえてきます。ほりごたつとソファのある茶の間だよ、きっと。
はんますとほいとやは、ジローくんの家の台所にいくときは、中庭にある井戸の左側からまわりますが、ほりごたつの茶の間に行くときは、井戸のとなりにある物置小屋の右側をとおるのでした。物置のそばをタタタっと走り抜けると、ちょっとこけのにおいがしました。
はんますとほいとやは、じんじんぐものすをじょうずによけながら、茶の間の縁石にとびのりました。
部屋の中をそおっとのぞきます。
ジローくんがほりごたつの前で、顔をまっ赤にして、泣いていました。
|