歯医者さんの治療が苦手、痛みがイヤだとおっしゃる方は少なくありません。当院ではそんな患者さまのために、痛みや負担を軽減する治療を心がけています。
治療中の痛みを減らすために麻酔をかけますが、この麻酔注射自体が痛いと感じる方も多くいらっしゃいます。そこで注射の前に歯ぐきに塗るタイプの表面麻酔を施した上で、お口の粘膜を引っ張りながら極細の注射針を使用することで、針が刺さる際の「チクッ」という痛みが、なるべく少なくなるようにしています。私ども夫婦の父親は、二人とも歯医者でした。痛みのない局所麻酔のやり方は、歯科医師一家ならではの秘伝の技術があるものです。両家の秘伝に、私ども二代目が改良を加えた方法なんですよ。
このようにさまざまな工夫をしておりますので、痛みが苦手で歯医者さんに行くのをためらっているという方も、ぜひ一度ご来院ください。
「不安や恐怖心が痛みを感じやすくさせる」と言われているのをご存知でしょうか。痛みを感じると心身ともに緊張状態となり、貧血など全身に悪影響を及ぼす可能性も示唆されているのです。そのため私どもでは、できるだけ患者さまにリラックスしていただきながら麻酔注射をするよう心がけています。
リラックスしていただく取り組みの一環として、小さなお子さまを対象に「おへそのおまじない」をしています。人間は「息を吐いている時には痛みを感じにくい」ということがわかっており、それを利用したおまじないです。
この順番で、お子さまにおまじないをかけていきます。「フーン」と言い続けることで、必然的に息を吐くことになるため、麻酔の痛みを軽くできる仕組みです。最近では痛みの苦手な大人の方にも、「フーンと歌ってください」とお願いすることもあります。
こうした工夫で麻酔時の痛みを軽減し、治療自体の痛みも少なくできるよう取り組んでおります。これは私ども夫婦の二人の父親直伝の痛みの少ない麻酔にくわえ、ヨガの呼吸法や東洋医学の鍼灸の「無痛鍼(むつうしん)」の原理を応用した当院独自の方法です。多くの患者さまからご好評いただいております。
当院では「とりあえず治療」をするのではなく、「歯を守る」ことを大切にしています。人間の歯は一度削ってしまうと、二度と元には戻りません。治療をすればするほど、天然の健康な歯は削られてどんどん減っていきます。そして最後には歯がなくなってしまい、抜かなければならなくなることもあるのです。
そのような事態を避け、できるだけ歯を削らずに済むよう、私どもでは虫歯を修復する「再石灰化(さいせっかいか)治療」を最初に実施しています。「再石灰化」とは、歯にもともと備わっている治癒能力です。そもそも虫歯とは虫歯菌が出す「酸」によって歯が溶けてしまう病気であり、この再石灰化の力を利用することで、溶けた部分を修復できるのです。
乳幼児~学童期のお子さまの場合、歯がまだ生えたてで組織の反応が活発なため、再石灰化能力が高くなっています。そのため虫歯で小さな穴が空いても3か月ほどで修復され、ふさがるケースも多くあります。それに対し大人の場合や大きな虫歯の場合には、再石灰化治療だけではしっかりと修復するのが困難であり、歯を削って詰める治療が必要です。その場合でも、当院では再石灰化を促して可能な限り虫歯を小さくし、削る量を少なくするよう努めております。
削る量を減らす治療として多くの歯科医院が取り入れているものに、健康な歯の部分をできるだけ削らない「MI(ミニマルインターベンション)治療」があります。しかしこの治療方法でも、虫歯の部分を削らなければいけないことに変わりはありません。虫歯の穴をふさいだり虫歯そのものを小さくしたりする再石灰化治療とは、根本的に異なるものです。
「MI治療」とは「最小限治療」のことです。患者さまの自然治癒力を活かし、虫歯になった部分を修復できる「再石灰化治療」こそが、本当の意味でのMI治療と呼べるのではないでしょうか。私どもはこの「究極のMI治療」を目指し、再石灰化治療をご提案しております。いきなり削るような虫歯治療は原則として行わず、まずは再石灰化治療を受けることをおすすめしています。
再石灰化治療は、ご自宅で行っていただく「4つの対策」と歯科医院で行う「4つの対策」を組み合わせて実施し、治療にかかる期間はワンクールが3か月ほどです。歯にとって理想的な治療である「再石灰化治療」を成功させるためには、患者さまご自身の協力がどうしても必要となります。「歯を守りたい」「歯を大切にしたい」というお気持ちのある患者さまに、ぜひおススメしたい治療方法です。
ただし、神経が炎症を起こし痛みがある、歯肉が腫れている場合などは、緊急治療を優先いたします。「痛みのあるところだけ削ってほしい」とおっしゃる方には、当院の治療方法は適さない可能性がありますので、その点はご了承ください。
唾液検査では以下のことがわかります。
唾液検査の結果をもとに治療計画を立てていきます。さらにご自宅で使用していただくフッ素ジェルの種類を、患者さまのお口の状況に応じてお選びいたします。
以下でご紹介する、「ご自宅で行う4項目」「歯科医院で行う4項目」を実施します。
年齢に合わせたフッ素濃度入り歯磨き剤を年齢に合わせた適正量歯ブラシにつけて、1日2回歯磨きをしていただきます。
全ての歯に軽くフッ素ジェルを塗った後、虫歯の部分にさらに念入りに塗っていただきます。フッ素ジェルは、患者さまの年齢に合わせて選んだものをご購入いただきます。
砂糖入りの飴、ヌガー(乳酸入りなど)、乳酸飲料(ヨーグルトドリンク)の摂取は原則禁止です。それ以外の甘味はやめる必要はありません。食事の直後にデザートとして甘い物を食べるのはOKですし、甘い飲み物も食事中に飲む分には特に制限はありません。
年齢や体重に応じて量は調整しますが、キシリトールガムまたはキシリトールタブレットを1日3回程度摂っていただきます。
虫歯の部分に高濃度(22,600ppm以上)のフッ素を塗布します。最初の3か月は合計4回塗り、その後は原則として1か月に1回塗っていきます。
再石灰化効果(虫歯を修復する効果)のあるレーザーを、虫歯の部分に照射します。
患者さまが上手に磨けるよう、歯磨き指導を行います。
※ご家庭での歯磨きが困難な方には、定期的な歯のクリーニングを歯科医院で行います。
甘い物の摂り方の指導を行います。
唾液検査 | 1回 10,000円(税別) |
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再石灰化治療の一環の レーザー治療 | 大臼歯1本・1回につき:5,000円(税別) 小臼歯1本・1回につき:4,000円(税別) |
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高濃度フッ素バニッシュ(22,600ppm)の塗布 | 一口腔単位:3,000円(税別) |
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治療名:レーザー治療(虫歯)
治療の説明:レーザー光を集中的にあてて、虫歯部分を蒸発させる治療法。歯を削りすぎない、痛み少ない、不快感が少ないといったメリットがあります。
治療のリスクや副作用:従来の虫歯治療よりも時間がかかります。虫歯の状態によってはレーザーだけでなくタービン(歯を削るドリル)を併用する可能性があります。
「人生100年時代」が到来しようとしている現代。多くの人が100歳まで生きようという中で、ご自分の歯を1本でも多く保ちたいと願うなら、歯の神経を残すことが重要になってきます。
神経が残っている歯は、ハンマーで叩いても割れません。なぜなら「若木」のようなもので、歯に弾力があるからです。一方、神経を抜いてしまった歯は、まるで「枯れ木」のようなもの。ハンマーで叩けば、薪割りの薪のように割れてしまう可能性が高くなります。
65歳を過ぎてから歯を抜いた方の多くが、若い頃に神経を抜いていたという事実があります。神経を抜いたことにより歯の根っこが割れてしまい、最終的に歯を抜かなければならなくなってしまったのです。つまり100歳までご自身が生まれ持った歯を保つためには、できる限り歯の神経を抜かない処置をすることが重要です。それがお口の健康を長く保っていくための、大切なポイントと言っていいでしょう。
そこで当院では虫歯治療の目的を「歯の神経を守る」ことに絞り、可能な限り神経を残す治療方法をご提案しております。
なるべく神経を残していくためには、歯科医院での治療だけではなく、患者さまご自身にご自宅で行っていただく「ホームケア」が重要な意味を持ってきます。皆さまのご負担は増えてしまうかもしれませんが、長い人生を快適に過ごしていくためにも、私どもと一緒に歯の神経を守っていきましょう。
検査器具やレントゲンで、虫歯の進行度合いを調べます。
必要に応じ「再石灰化治療」をご提案いたします。
虫歯がどんな状態なのかをご説明し、治療計画をご案内します。
唾液検査を行い、まずは再石灰化治療(「ご自宅で行う4項目」「歯科医院で行う4項目」)を行います。
再石灰化治療後、虫歯の病巣を必要最小限に取り除きます。歯の神経まで虫歯が達している場合は、神経の治療も行います。
虫歯の進行度合いや大きさに応じて、詰め物や被せ物を装着します。
虫歯を再発させないために、定期健診や歯のメインテナンス、クリーニングを受けることをおすすめします。