虫歯予防3つのポイント

虫歯予防の基本はなんといっても歯磨き。虫歯の直接の原因は、酸を産出する歯垢ですから、歯垢をしっかり取り除く歯磨きをするのが最大の予防法なんですよ。1日3回磨きましょう、あるいは1回に3分間磨きましょうなどいろいろな指導がありますが、回数や時間はクリアしていても雑に磨いてちっとも歯垢が取れていなければ、虫歯予防にはなりません。1日1回でもよいから、正しく確実に磨いてこそ歯磨きの効果はあがるのです。

キシリトールは、いちごなど果物にも含まれる天然の甘味料で、甘さも砂糖と同じぐらいです。白樺などの木から抽出加工してつくりますが、ガムやキャンディーの甘味料として厚生労働省から認可されている安全なものです。虫歯菌は糖分が大好きですから、甘いキシリトールを食べた口の中でも増殖しそうですが、じつは、キシリトールはほかの糖類と分子構造が違うのです。この違いがもとで、虫歯菌は酸を発生させることができず、結局菌自体が弱ってしまい、ついには死滅してしまうことに。虫歯予防に効果的なのは、キシリトール入りのガムを一日3回食後に5～10分間かみ続ける方法。ただしキシリトール含有率50%以上のものを食べましょう。

虫歯はエナメル質が侵される段階から始まりますが、フッ素はこのエナメル質の構造を安定させ、強い歯質をつくるというメリットがあります。歯科医で年に何回か濃度の高いフッ素を塗ってもらう方法もありますが、むしろ、家庭でフッ素入りの歯磨き剤を使う習慣をつけたほうが効果的でしょう。歯磨き剤に含まれるフッ素は微量ですから、身体に害を及ぼすことはまずありません。フッ素入り歯磨き剤で磨いたあとに、フッ素ジェルを歯に塗ると一層効果的です。ジェルはドラッグストアや歯科医院などで買えますよ。

3DSとは、デンタルドラッグデリバリーシステム（Dental　Drug　Delivery　System）のことで、ミュータンス菌レベルの高い“高ミュータンス菌症”の方に行う予防治療です。上下の歯型をとりカスタムトレー（その方に合わせたマウストレーのこと）を作ります。トレーの中に抗菌剤やフッ素ジェルとキシリトール粉末を混ぜたものを入れ、1日2回約10分程度ご家庭で噛んでいただき、エナメル質表面のミュータンス菌によるバイオフィルムをなくす予防法です。忙しくて1日3回キシリトールガムを噛むことができない方や、スピーディーに除菌したい方に向いています。