いまや、ベビーフードも進化して離乳食も便利になりました。でも、よく噛みアゴを発達させ、美しい歯並びを目指すなら、離乳期のころから食事には気配りが必要です。月齢別の目安はあるとはいえ、全体的にやわらかめなのが市販のベビーフード。それだけに頼らず、ゆでたブロッコリーやにんじん、じゃがいもなどを添えて、味と噛み応えの幅を広げてあげましょう。
食材も薄めの味付けと鮮度に気をつければ、そのほかの野菜や魚肉、乾物とかなり幅広く食べさせてもいいんですよ。豊かな離乳食が噛むトレーニングの第一歩になりますし、いま、さまざまな味を体験しておけば、大人になってからの食わず嫌いも避けられるハズです。
アゴの発育のよい子どもたちの生活を調べてみると、和朝食をとっている子が多くいました。和食は、よく噛まなければいけない食材が多いせいでしょうか。ひじき、納豆、青菜、焼き魚、具だくさんの味噌汁など、たしかにトーストに牛乳、果物だけの洋食よりは噛む力が必要です。
もちろん、アゴの発育のよい子たちは、早寝早起きで空腹なので食欲がある、だから噛まなければならない和朝食もしっかり食べられるという良い生活習慣のリズムを持っているのも事実。宵っ張りで朝、食欲がないお子さんなら、まず生活のリズムを整え、少しずつ和朝食に変えていくのがいいかもしれません。
(「子育て歯科」(倉治ななえ・デンタルフォ-ラム社)より)